新型コロナウイルス感染症の影響から、スーパーマーケットなどの店先では、通年消毒液が設置されるようになりました。これは感染症の原因となるウイルスが、飛沫による直接感染だけでなく、人の手から手に移行することで感染源となってしまうからです。
とりわけ家庭内では、換気をすると同時にドアノブや電気のスイッチなど、全員が触れる部分の除菌が必要なのはこのためです。これは店舗においても同様で、特に飲食店では飛沫が飛散しやすい部分の清掃や、お客様が触りやすい部分の除菌は徹底されています。
ところが、看板と目隠しを兼ねたのれんは布製のため、ドアノブや引き戸の取っ手と違って拭き掃除ができず、除菌スプレーの使用も香りが強すぎたり変色のリスクがあるために難しいです。
京都のれん株式会社が販売している製品の中にも手書きの図柄が入ったものもあるので、こうした場合はアルコール噴霧も注意しなければなりません。
京都のれんが扱う製品には、専門のクリーニングが必要ない木綿や雑菌の繁殖が少ない麻のものもありますが、毎日洗うことは難しいです。何より、来店したお客様ができるだけ設備に触れたくないという場合には対策が必要となります。
コロナ対策はのれんを出したままで可能
入りやすさと目隠しを兼ねたのれんは便利ですが、めくる際に人の手が触れるため、コロナ対策の観点から撤去するべきか悩むかもしれません。
しかしながら、京都のれんではこの問題を解決するための便利なのれん用クリップが販売されています。これは和の雰囲気を崩さないちりめん製のバンドで、内臓のマグネットが布を固定するため、めくらずに人の出入りができるようにすることが可能です。
職人が一点ずつ手作りしたつまみ細工の飾りには桜や桔梗、紅葉といった季節感のある植物が取り入れられているので、季節ごとに使い分けることもできます。
また、飾りのつまみ細工は取り外しも可能なので、クリップ部分だけでシンプルに使うことも可能です。長い物をたくし上げた状態で止めたり、カーテンのようにドレープを作って留めたり、長さに合わせて自在に使うことができます。
これはコロナ対策にはもちろん、頻繁に洗うことが難しい備品をできるだけ長くきれいな状態で使うためにも有効な製品なので、感染症の流行が過ぎても使いやすいといえます。
空間を遮ってしまわないのれんは、日本らしさを感じられる伝統の道具のひとつです、工夫を重ねながらずっと使い続けていきましょう。