防炎のれんは、一般的なオーダーのれんとは異なり火災から守るといった重要な
役割があります。地下街にある飲食店でのれんを設置するとき、ごく普通のものを
使うと火災が発生すると全焼する時間が早くなりリスクを伴います。しかし、防炎
のれんは燃え広がる時間を抑制させる効果を持つため、全焼してしまうリスクを大幅に
軽減させることができるようです。
東京の都市部の中には、建造物が密集している地域が多くありますが、このような
場所で火災が発生すると近隣の建物にも燃え広がる危険性がありますので、燃え広がら
ないような工夫も重要といえましょう。
ただ、防炎といってもまったく燃えないという意味ではないことを理解しておかなければ
なりません。万が一、火がのれんに点火してしたとしても防炎性能を持つものは全体が
燃えるまでに時間がかかるので、その間に消火活動を行えば被害を最小限に抑えることが
できるわけです。
なお、地下街や建物が密集している地域などでは防炎性能を持つアイテムを使う義務付け
がありますが、義務付けがない地域でもこのようなのれんを使えば火災などから大切な
お店や店内にある資産を守ることができるメリットもあります。
燃えにくい素材や特殊な加工
身の回りには多くの繊維がありますが、一般的な繊維は燃えやすい性質があるので
火種が点火するとすぐに燃えてしまう可能性があります。防炎のれんに使用している
素材は、燃えにくいといった最大の特徴があるのですが、防炎物品の材料にはどの
ようなものがあるのか知っておけば防炎のれんをオーダーするときに役立ちます。
昭和44年より消防法の法律の中で導入された防炎規制では、燃えにくい特性を持つ
ことを防炎性能と呼び、防炎性能基準の条件に合致するものを防炎物品と呼びます。
ホテルや旅館など宿泊施設や医療機関など不特定多数の人々が利用する施設では、
カーテンやじゅうたんなどは防炎物品である必要があるといいます。
なお、防炎は不燃とは異なるものです。防炎物品の材料には、燃えにくい繊維を
使用したものと、燃えやすい繊維に特殊な可能(防炎加工)を施したものの2つが
存在します。不燃性のガラス繊維・難燃性のモダクリル・ポリクラール・難燃性の
ポリエステル、これらはいずれも燃えにくい繊維です。難燃ポリノジックや難燃
ビニロンなど、いずれも本来は燃えやすい繊維ですが、繊維を製造する際に防炎
薬剤を混合させているため難燃の分類になります。